この工場電気ドットコムをご覧になられている製造業の皆様は、やはり常日頃「節電」には人一倍気を使っていらっしゃることと思います。電気代が高いよりは、安い方がいいのは当然のことですよね。
しかし節電方法の中には、全く効果が無いものや、逆に電気代をあげることになってしまいかねない物があることをご存知でしょうか?今回はそんな間違った節電方法について書いていきたいと思います。
外出先で充電をする
例えば打ち合わせなどで街中の喫茶店などに入ったとき、ふと足元を見るとコンセントがあったりします。そういえばスマホの電池がもうあまり無いな、と思いそこのコンセントで充電をすることにします。家で充電する分の電気代が節約できて良かった…と思うかもしれませんが、それは「盗電」といってれっきとした「犯罪」です。
お店によっては「充電しても構いません」という注意書きが貼られているところもあります。そのようなところでは、自分のスマホやタブレッドなどに充電をしても構わないでしょう。しかし何の断り書きも無いところで、節電目当てで充電をするというのは犯罪になってしまうので、絶対にしないようにしましょう。
真夜中に節電する
とにかく節電をしたいのだけれど、日中は工場の機械が稼働しているし、またエアコンもフル稼働しているので、節電が出来る状態では無い。そこで工場が稼働していない夜などに、エアコンを使わないようにしたり、機械を止めるなどの節電をする…。ありがちなシチュエーションですね。単純に「電気を節約する」という意味では、そう間違ってはいないのですが、「電気代を安くする」という意味では、このやり方は間違っています。
電気代の基本料金は「ピーク時の電力使用量」によって決まります。つまり電気を一番使っている時の使用量をもとにして、電気代が計算され決まってきます。そして電気を一番使う時間帯は、もちろん業種によって様々だと思いますが、基本的には昼間のことがほとんどです。つまりもともと電気を使わない夜中に節電をしても、あまり効果が無いのです。逆に昼間一番電気を使う時間帯に節電をすると、電気代基本料金の値下げが期待できるので、電気代全体の値下げに繋がるわけです。これがいわゆる「電力のピークカット」と呼ばれる考え方です。
といっても昼間に電気を使わないようにする、というのもなかなか難しいのですが、例えば昼間やっている作業で、夜中に回せるようなものは夜中に作業するようにしたり、工場の稼働時間を夕方以降にずらすなど、決して不可能という事ではありません。
怪しげな製品を購入する
インターネットを見ていると、時々「この機械を使うと電気代が節約できる!」とか「このシールを貼るだけで電気代が節約できる!」というような広告を見かける事があります。「果たして本当なのかな?」と思いつつも「電気代が節約できる」という言葉が気になって、ついついそのページを見たり、試しに購入されてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
私個人の見解を言えば、そのような「節電できる機械」や「節電できるシール」など、節電を謳って何かを買わせようとしている商品は、ほぼ99%効果が無いといっていいでしょう。もちろん機械を使うことで節電が可能になる、という事は全く無いわけではありません。それは「機械を使うことで電力使用量を監視して、使用量が多くなったら節電をする」というような、上にあげた「電力のピークカット」のための機械である事がほとんどです。つまり機械を設置するだけで電気代が節約できるわけでは無く、「ピークカット」という作業をするための電気使用量の監視ツールのようなものなのです。
「機械を設置するだけ」「シールを貼るだけ」という甘い言葉は、どうしても気になってしまうものですが、世の中そんなにうまい話ばかりではありません。機械を買って節電ができたとしても、その機械が節電額よりも高いようでは、全く意味がありませんし、むしろ逆効果だといえるでしょう。
冷房の設定温度を大幅に上げる 暖房の設定温度を大幅に下げる
「冷房の設定温度を○度上げると、電気代が○%節約できる」「暖房の設定温度を○度下げると、電気代が○%節約できる」、節電に関するこうした話は、インターネット上にたくさんありますし、またこの工場電気ドットコムのコラムページでも紹介したことがあります。確かに冷暖房は特に電力消費量が多いので、ちょっと設定温度をいじるだけで、かなりの節電効果が見込めるのは確かです。
しかし例えば今年の夏は、かなりの酷暑でした。この酷暑の中で、エアコンの設定温度をわざと上げるような事をしたら、一体どうなるでしょうか?あまり冷房効果が発揮できず、工場の中が高温となってしまって、場合によっては工場内で熱中症になってしまう作業員の方も出てきてしまうのでは無いでしょうか?
暖房の方も同じです。節電ばかりにこだわるあまり、設定温度を上げないようにしていると、それが原因で結果として工場の作業員の方々の健康が損なわれてしまう可能性が、十分にあります。
熱中症の場合など、あまりに症状がひどいようであれば救急車で搬送されてしまうかもしれませんし、そうなれば場合によっては治療費や入院費なども負担しないといけなくなります。また作業員が一人いなくなってしまうということは、生産作業のスケジュールなどを変更しないといけなくなります。こんな事なら冷房の温度をもっと下げておくんだった…と後から思っても手遅れでしょう。
確かに現在の電気代はかなり高いですし、なんとか節電をしたいというお気持ちも分かります。だからといって作業員の方々の健康を害するような節電の方法は、まさに百害あって一利なしだと言えるでしょう。冷暖房の温度設定は、くれぐれも適切な温度を保つようにしてください。
まとめ
単純に「節電」といっても色々な方法がありますし、またインターネットなどで様々な方法を見つけることができます。しかし節電には、その場所や条件・業種・環境などで方法が様々に違ってくる場合があります。そこを注意しないと、節電したつもりが逆に大損してしまった、ということになりかねません。
工場電気ドットコムでご提案している方法は、電気代基本料金を値下げすることで電気代全体を値下げする、という方法です。この方法であれば無理な節電などは、一切必要ありませんし、もちろん節電をすることで更に電気代を下げることも可能です。
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