電気の契約を地方電力会社から新電力会社に切り替える「だけ」で、電気代は安くなります。これはこの工場電気ドットコムでも何度も繰り返し書いてきましたし、また間違いの無いことだと言えるでしょう。しかしごくごくたまにですが、「新電力に切り替えたのに電気代が高くなった」と言われる方にお会いすることがあります。もちろん通常では考えられないことなので何か勘違いをされているのかな、とも思うのですが、よくよく話を聞いてみるとやはり間違いなく新電力に切り替えていて、それでも電気代が安くなっていないようです。これは一体どういう事なのでしょうか?私なりに理由を考えてみました。
電気を使いすぎている
新電力は電気代の基本料金部分を値下げすることで、電気代全体の値下げを実現しています。しかし電気代基本料金を値下げしても、その分だけ余計に電気を利用してしまえば、(額だけ見る限りでは)電気代が上がってしまったように見えるでしょう。ご本人にその自覚がなくても、電気を大量に使ってしまう場合というのは実は結構あります。
例えば夏や冬、冷房(クーラー)や暖房(エアコンや電気ストーブ)などを使いすぎると気づかない内に電気を大量に消費していたということもあり得ます。特に冷房などは設定温度を下げれば下げるほど電気の使用量が増えてしまうので、急に猛暑になったときなどは新電力に切り替えていたとしても、電気代が上がったように見えてしまうでしょう。
またその他の電気の無駄遣いなども考えられます。冷蔵庫を開けっ放しにする、照明をつけっぱなしにする、パソコンの電源をいれっぱなしにする…などなど、日常的についうっかり電気を使いすぎるということは、思ったよりも多くあることです。
漏電と盗電
電気を大量に使うといえば、忘れてはならない事があります。そう、「漏電」の可能性です。漏電は電気のケーブルなどが傷つき、そこから電気が知らない内に漏れてしまうことを言います。この場合私達には電気を使ったという認識はまるで無いのですが、電気メーター側としては電気を使ったものとしてカウントしてしまいます。あまりにも電気代が高すぎる状況が続くのであれば、漏電を疑った方がいいでしょう。
そして漏電と同様に疑わないといけないのが、やはり「盗電」でしょう。知らない内に電気が第三者によって勝手に使われてしまっているかもしれません。屋外にコンセントなどがある場合、まずはそこを調べてみましょう。もし屋外にコンセントがなかったとしても、部屋の中に見たこともないケーブルが増えている、という事だってありえます。また特に集合住宅などの場合、部屋のそばにあるガスメーターや電気メーターの電気を利用して、電気を盗んでいるということもあります。怪しいところは徹底的に探してみるといいでしょう。
電気料金プランが最適化されていない
実は新電力には、得意・不得意があります。分かりやすいパターンとしては、一般家庭用の低圧電気の場合に大きな値下げ幅が出せる新電力会社、逆に工場や企業などで高圧電気を利用している場合に電気料金を大幅に値下げできる新電力会社など、実に様々な会社があります。実際に私達工場電気ドットコムで厳選しています新電力会社は、工場や製造業・企業などに対しては電気代の大幅な値下げを実現できますが、低圧電気を利用している一般家庭の場合、それほどの削減額は出せません。これは会社によってそれぞれ違ってきます。
更に同じ会社でもいくつかの電気料金プランがあるような場合、例えば夜間の電気が安くなるようなプランであれば逆に昼間の電気代は高くついてしまいます。それを知らずに契約して、昼間に電気を使う生活をすれば、新電力に切り替える前より電気代が高くなってしまうのは当然のことだと言えるでしょう。そうした会社やプランの違いを、しっかりと理解しておくことが大事だと言えるでしょう。
悪質な新電力会社だった
今まで書いてきたようなパターンに当てはまらなかった場合、それはやはり悪質な新電力会社に引っかかってしまった、ということになるでしょう。やたらと契約を急いでいなかったか、説明が少なくなかったかなど、契約した時に何か怪しい部分が無かったか、と思い出してください。特に電話での営業電話や訪問営業などで契約をした新電力であるのならば、その会社の名前をインターネットなどで検索して評判を探したり、どなたか詳しい専門家に意見を求めたりしてもいいでしょう。
最後に
新電力は確実に電気代が下がります。だからこそ、「新電力に切り替えて電気代が上がった」ということはまずあり得ないですし、それが本当であるならば色々と疑った方が良いと思われます。ちなみに最初に書いた私がお会いした方は、その方の勘違いだったという事がわかりました。新電力に切り替えたことで適正に電気料金が値下げされた事がわかり、その方も大変安心されていました。
もし新電力で何かお困りのことがございましたら、私達工場電気ドットコムまでお問い合わせください。もしかしたら何かお役に立てることがあるかもしれません。