新電力会社が抱える様々な問題

新電力」とは、東京電力や東北電力などの地方電力会社以外が、電気販売事業に参入できるという制度です。これを「電力自由化」といい、そうした新規に電力事業に参入してきた事業者を「新電力(会社)」と呼んでいます。

1999年には大規模な工場やデパートなどの大量に電気を使う施設向け、いわゆる特別高圧の電力販売が自由化されました。続いて2003年には皆様のような中規模の工場や町工場、オフィスやビルディングなどの「高圧電気」が自由化されました。そして2016年にはすべての電気の小売と発電が自由化され、一般家庭や商店、小規模オフィスなど全てが電力自由化となったのです。

特別高圧の電力が自由化されてから、実にもう20年近く、高圧電気であれば15年もの時間が経っているのです。「電力自由化」という言葉は、2016年の全面自由化の時にテレビや新聞などで広く報道されたので、その頃に知ったという方がほとんどだと思いますが、実は結構時間が経っているものなのですね。

新電力がそれだけの間続いていたという事は、電力自由化がそれなりに上手くいっているという証拠でもあると思います。しかし残念なことですが、それだけ長く続いているとどうしても様々な問題が出てきてしまうようです。今回はそんな問題の例をいくつかご紹介したいと思います。

新電力会社の経営不振

現在、とある新電力企業、ここではあえて名前は出しませんがかなりの大手なので聞いた事がある方もいらっしゃるかもしれません、が大幅な赤字を計上したという事で話題になっています。もちろん工場電気ドットコムでは、その企業との契約はオススメしておりません。

この新電力企業はもともと企業向けに電力を販売していたのですが、電気代がかなり安くなるという事で有名でした。一般家庭用の電気などは、販売しておりません。しかしあまりに価格を安く設定しすぎてしまったのが、赤字の原因だと言われています。

また価格を安くすることで取引先が大量に増えたため、電気の販売量が急激に増えてしまい、自分のところで持っている発電所や子会社などの電気では賄えなくなってしまったようです。そのために他電気会社が発電した電気を買い付けることで調達していたのですが、その買い付けの割合が増えてしまい、買い付け分の費用が増えてしまったようです。

その新電力企業自身は先程も書いたように業界でもかなりの大手なので、すぐに倒産などをする事は無いようですし、またもし万が一倒産しても地方電力会社から電力が供給されるので、契約者の電気が使えなくなるという事態は起きません。しかしもしこの状況がしばらく続くようであれば、離れていく契約者が増えてしまうかもしれません。もっともこの経営状況を招いたのは、安い顧客が大量にいるためなので、企業側としてはある程度契約者が離れていった方が、かえって経営が安定するのかもしれません。

新電力会社の電気代値上げ

太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)という制度があります。簡単に説明すると、太陽光発電で発電した電気は決まった価格(固定価格)で販売できる、という制度です。この買い取り価格が今までは1kWhあたりを42円だったのですが、2019年以降1kWhあたり10円程度に下げられてしまいます。

新電力企業の中には独自に太陽光発電施設を持っている所があります。そうした所は、この固定価格買取制度が高額なのを利用して、地方電力会社には高く電気を販売する一方で、各契約者に向けては電気代を安くしている所があります。しかし2019年に固定価格買取額が下げられる事により、太陽光を販売した価格では利益が出なくなってしまう所が出てきます。そうなってしまった場合、真っ先に考えられるのは契約者向けの「電気代を値上げする」という事でしょう。

もちろん全ての所がそうである、とは言えません。しかしなんらかの影響は出てくると思います。太陽光発電の2019年問題は、実はこんな所にまで影響を及ぼす可能性があるのです。

電気代を他のものとまとめる

例えばガスや水道などのインフラ、あるいはケーブルテレビや電話代など、何か他のものと電気代を「まとめて」しまおう、という業者があります。確かに他のガス代や水道代などと電気代を一緒にすることで、例えば電気代の払い忘れなどが減るでしょうから、管理はしやすくなると思います。

しかしこのような場合、もちろん電気代が下がる場合もありますが、その値下げ幅はあまり大きくないという事がほとんどです。なので電気代の値下げを期待して契約してみたら、思っていたほどには下がらなかった、という事になってしまいます。

もちろん電気代の値下げ幅を取るのか、あるいはまとめて処理できる便利さを取るのかは、皆様それぞれの好みの問題となります。新電力会社と契約する場合は、自分にふさわしい新電力会社なのかどうか、しっかりと調べておきましょう。

まとめ

最初にも書いたとおし、新電力はスタートしてからは実はもう20年近くが経っています。新電力会社の数も、かなり増えてきています。その中にはいい会社もあれば、正直あまりオススメできない所があるのも事実です。

しかし多数ある新電力会社の中から、自分達にふさわしい会社を選ぶのも、大変な労力がかかります。いくつもの新電力会社から電気代の見積もりを取って検討するだけでも、かなりの時間と手間がかかってしまうでしょう。

工場電気ドットコムにお申し込みいただければ、皆さんのそうした時間や手間を省くことができ、かつ複数の新電力会社からのお見積りを提出することが可能です。特に現在高圧電気を利用されている工場や企業の方に特化した、新電力会社を厳選しております。工場・企業の方であれば、きっとご満足できる電気代の値下げをご提案させていただきます。お問い合わせ・お見積りは無料です。少しでもご興味のある方は、お問い合わせください。