緊急事態宣言が製造業・工場・町工場に与える影響とは

4月7日、新型コロナウイルス感染症が日本の都市部で急速に広まっていることを受けて、安倍首相は法律に基づく「緊急事態宣言」を行いました。対象となるのは東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県となります。また期間は4月7日から5月6日までの、およそ一ヶ月間となります。

この緊急事態宣言により、大型の運動施設や遊技場、劇場、娯楽施設などは休業することを「要請」されました。また商業施設などに関しても、食品や医薬品など日常生活に欠かせないもの以外の売り場は、基本的に休業が要請されました。

あくまでも「要請」なので、罰則などはありません。海外で行われる「ロックダウン(都市封鎖)」では、外出すら禁止となりますが、日本においてはそこまで厳しい事を行うことは出来ません。あくまでも私達国民一人ひとりの「自粛」という形になります。

基本的に生活するにあたって、必要最低限な事は行っても問題ない、と考えておけばいいでしょう。日常品の購入のための買い物や通院、あるいは散歩や軽い運動などのための外出も問題ありません。ただし外出の際の注意点として、人が多く集まる密閉した空間(いわゆる「3密空間」)ではウイルスへの感染リスクが高まるため、そのような所はなるべく避けた方が良いでしょう。

しかしこの「日常生活に必要最低限」という区分けが、特に製造業の方々にとっては悩ましいところでは無いでしょうか。食料品や医薬品などの製造を行っている企業の方々はともかく、それ以外の物を製造されている方々は、自身の工場の営業を続けていいものかどうなのか、大変判断がつきづらいかと思います。また製造したものが、直接では無くとも生活必需品に関わるようなものであるかもしれない、となるとますます判断はつきかねるかと思います。

また製造を停止した場合、当然のことですが収入にも影響してまいります。一ヶ月前のデータでは、製造業・流通業の58%に課題が発生したという事が報じられています。今回の緊急事態宣言による影響は、それ以上になる事は間違いないでしょう。

流通ニュース:新型コロナウイルス/製造業・流通業の58%に課題発生、異常受注など

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は3月18日、「新型コロナウイルスの感染拡大による物流への影響」の調査結果を発表した。

調査は、3月11日~13日、JILS会員企業の荷主と物流企業の会員789人を対象で、メール案内、WEB回答方式で実施した。有効回答数は182件(回答率23.1%/1社1回答)。

荷主では、製造業63社、流通業19社、そのた荷主5社、合計87社が回答した。物流企業では、運輸25社、倉庫18社、利用運送・物流管理業10社、物流子会社37社、その他物流業5社、合計95社が回答した。

荷主企業に、「新型コロナウイルス感染拡大により、物流面での課題が発生しましたか。(1つ選択)」と尋ねたところ、「一部に課題が発生した」38.27%、「全社的な課題が発生した」19.75%で、合計58.02%が課題が発生したと回答した。一方で、「影響はない」33.33%、「不明」8.64%となった。

しかしコロナウイルス感染症の問題は、あくまでも私達全員の問題となります。自分が感染するかもしれない、というよりは、自分が誰かに感染させてしまうかもしれない、という事を心配しないといけないフェーズに入ってきております。可能な限りは国の要請にしたがって、様々な活動を自粛した方が良いでしょう。そしてそのような時でも働かないといけない方たちに、感謝をしないといけません。

資金が足りない、事業が継続できるかどうか困っている、という工場・町工場の皆様はまずは上にあげたようなサイトをご覧いただいて、補助金や給付金などの支援が受けられないかどうかを、確認しておきましょう。場合によっては、最寄りの自治体のホームページもチェックをされた方がいいかもしれません。

とにかく今は「緊急事態」です。自分が感染しないのはもちろん、他人に感染させない事も重要となってきます。うがい、手洗いを忘れないようにして、ウイルスに負けないような生活をすることを心がけていきましょう。

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