アメリカとイラン間の緊張が私達の電気代にもたらす影響とは?

年明けからずっと話題になっていますが、アメリカとイランの間での緊張感がかつてない程に高まってきています。そもそもはアメリカがイラン革命部隊のソレイマニ司令官を暗殺したことが始まりです。

東洋経済オンライン:「米イラン戦争」開戦で語られる最悪のシナリオ

アメリカがイランのナンバー2、精鋭部隊の革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官を空爆により暗殺したことで、イランの最高指導者ハメネイ師は報復を宣言した。

イランが報復を実行に移す場合、アメリカとの全面的な戦争を避けるため、限定的な報復を選択する可能性が高いとみられている。だが、そこには大規模な戦争に発展しかねない危険もはらむ。

これが2020年1月8日早朝の記事です。おそらくこの記事が書かれた直後になるのでしょうが、イラン側が米軍基地に対して報復攻撃を行いました。

FNN PRIME:「アメリカに平手打ち!」イランがミサイル攻撃 日本への影響は?そして今後の展開は

イランのミサイル攻撃の影響 すでに日本にも…

(中略)

日本時間の1月8日朝決行された、イラン革命防衛隊によるとみられるミサイル攻撃の映像。
閃光とともに爆音が鳴り響いた。

この報復作戦の名前は、米軍に殺害された司令官の名を取って「殉教者ソレイマニ」。

(中略)

イランは8日、弾道ミサイル10発以上を発射し、イラクにある米軍基地を攻撃。イラク政府はミサイルは22発だったとしている。

このニュースはかなりの衝撃をもって伝えられ、一時はアメリカ側の死者が80人とも伝えられていました。しかし実際にはアメリカ側の死者はいないとされ、アメリカのトランプ大統領もこれに対する軍事的報復はしない、ということを発表しました。

共同通信:米イラン、全面衝突回避

【ワシントン共同】トランプ米大統領は8日、イランによるイラク駐留米軍への弾道ミサイル攻撃への対応策をホワイトハウスで発表し、軍事的報復はしないと表明した。攻撃による死者はいなかったと強調し、新たな経済制裁を科して圧力をかけ続けるとした。米国が軍事作戦に出ればイランとの全面衝突に発展するとの懸念が国際社会に広がっていたが、報復の連鎖はひとまず回避された。

今後の情勢がどうなるかは、見守っていかないと分からない部分はありますが、ひとまず「全面戦争」という最悪のシナリオは回避できたと見ていいでしょう。しかし両国間はまだしばらくは緊張状態が続くものと思われます。

こうなると私達の生活にも、様々な影響が出てくることが予想されます。特に石油価格の高騰が予想されますので、ガソリンなどの関連製品、更になんといっても火力発電所の燃料となる原油価格の高騰も懸念されます。原油価格が高騰すると、それは私達の電気代に直結していますので、あわせて電気代も高騰するのでは無いか?という可能性が出てきます。

何故原油価格の高騰が懸念されるかと言いますと、もしアメリカとイランが戦争状態になった場合、原油を運ぶタンカーの安全が確保できなくなるからです。もしタンカーが戦火に巻き込まれるなどして沈没でもすれば、原油の輸入が出来なくなってしまいます。安全が確保できない状態では、原油を積んだタンカーが安全に日本まで来られなくなってしまい、原油が貴重品になってしまうからです。

実は昨年末に日本政府が、中東へ自衛隊の派遣を決めたのですが、これは今回のような事態を予想していたからでは無いか?とも言われています。

NHK NEWS WEB:自衛隊の中東地域への派遣 閣議決定 活動期間は1年 派遣260人

政府は、中東地域で日本に関係する船舶の安全確保に必要な情報収集態勢を強化するため、日本独自の取り組みとして、自衛隊の護衛艦と哨戒機の派遣を27日の閣議で決定しました。これを受けて河野防衛大臣は、防衛省で自衛隊の幹部らに対し、部隊の派遣に向けた準備指示を出しました。

これは上にも書いたように、原油などを運ぶタンカーの安全確保もありますし、更には現地に住んでいる日本人などの安全を確保する意味合いもあります。

いずれにせよ、今の段階ではまだ断定は出来ませんが、今後原油価格が高騰するようなことがあれば、燃料調整費用も上がり、電気代の大幅な値上げが懸念されるでしょう。こうした事態に備えて、今のうちに電気代基本料金を少しでも下げておくことが、私達に出来る唯一の対策となるのです。