現在世界中で電気自動車つまりEVが普及しつつあります。しかしその勢いはまだそれほどでは無く、従来のガソリン車と入れ替わるほどではありません。そうした中ですごい勢いで電気自動車の普及が進んでいる国があります。北欧ノルウェーです。
REUTERS:9月のノルウェー新車販売、EVが8割に迫る テスラ車が30%超
[オスロ 1日 ロイター] – ノルウェー道路交通情報評議会(OFV)が1日に発表した9月の新車販売統計は、バッテリー電気自動車(BEV)が全体の77.5%と、前年同月の61.5%を上回った。
車種別では、米テスラのコンパクト電動スポーツ用多目的車(SUV)である「モデルY」が19.8%で首位に立ち、2位には同社の「モデル3」が12.3%で続いた。3位のシュコダの電気自動車(EV)「エンヤック」はテスラ車を大幅に下回る4.4%だった。
ノルウェーは化石燃料車に課している税金を純EVに対して免除し、世界に先行してEVへの切り替えを進める。2025年をめどに、ガソリン車とディーゼル車の販売終了で一番乗りを果たす目標を掲げている。
販売する新車のうち77%以上が電気自動車というのは、相当な割合になります。一体何故ノルウェーではそこまで電気自動車の普及が進んでいるのでしょうか。記事中にも「電気自動車では税金が免除されている」とありますが、それだけでここまで電気自動車の普及が進むとは、正直考えづらい所があります。
実はノルウェーで電気自動車の普及が進んでいる原因は、意外なところにありました。
PRESIDENT Online:「新車の4割」EV大国ノルウェーの裏事情
【清水】もう一目瞭然でした。ノルウェーはあまりにも寒いので、エンジンオイルが固まらないように普通のエンジン車にブロックヒーターというヒーターがついています。その電源コンセントが車庫には付いているんです。だから各家庭の駐車場、公共駐車場には必ず電源がある。230ボルトの電源がね。
【安井】ノルウェーではどこでも充電しやすいということですか。
【清水】ガソリン車も冬には電源コードをコンセントに挿していたということです。だから電源コードをコンセントに挿すのは慣れている。
【安井】充電インフラもすでにできているということですね。
電気自動車は当然ですが電気をエネルギーとして走ります。という事は外出先でもし電気が切れてしまったら、どこかで充電をしないとなりません。しかし例えば日本では充電が出来るガソリンスタンドはまだまだ数はそれほど多くはありません。しかしノルウェーでは寒さ対策として元々車にヒーターが積まれており、そのためにガソリンスタンドや車庫などに、既に充電用のコンセントが設置されているのです。
この理由を聞いても「なあんだ」としか思わない方もいらっしゃるかもしれませんが、しかし新しく充電用の設備を作るのと、既にある充電用設備を利用するのでは、コストなどが全然違います。つまりノルウェーでは、元々電気自動車でも十分走れるような設備があらかじめ準備されていた、ということになります。記事中にも書かれていますが、他の寒い国、アイスランドやグリーンランド、カナダなどでも似たような状況だということです。こうした充電設備が揃っているところでは、電気自動車の普及はかなり早まると思っていいでしょう。
そうした設備が無いような国では、充電設備などを改めて設置していく必要がありますが、例えば以前紹介した台湾での電動バイク普及のように、あらかじめ充電してあるバッテリーなどが気軽に交換できるような方法などが取れるのであれば、日本でも電気自動車の普及が更に早まるかもしれません。
電気自動車は日本ではまだまだ普及していません。日本でどんどんと電気自動車が普及していくためには、新しい技術なりアイデアなりが必要だと思われます。