日本の工業地帯・中京工業地帯について

工場が多く密集している地域、ということでいくつかの工業地帯や工業地域について、書いてまいりました。今回は日本にいくつかある工業地帯の中で、「中京工業地帯」について書いていきたいと思います。

中京工業地帯とは、愛知県・岐阜県・三重県などに広がっている工業地帯の事を指します。いわゆる四大工業地帯の一つでもあり、太平洋ベルト地帯の中核となっています。東「京」と「京」都の中間にあるので、「中京」と言われています。

中京工業地帯の特色

中京工業地帯の最大の特色は、製造品出荷額で見た場合、規模が日本最大級になるという所でしょう。まさに日本の産業の中心地だと言うことが出来ます。また近くに名古屋港・衣浦港・三河港・四日市港・津松阪港など、多くの港を有しているのも特徴です。海に面しているため港が多く発展し、輸出入なども盛んに行われるようになっているのです。

中京工業地帯を代表する産業は、二種類あります。まず一つ目が「自動車産業」。愛知県豊田市には、日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車がある事は、今更説明の必要は無いでしょう。その自動車産業に伴って、周辺地域では自動車関連の部品・パーツを製造する工場が多く存在しています。中京工業地帯は機械工業の割合が占める率が高いのですが、それはこの自動車産業が発展しているという事と、深く関わっているのでしょう。

中京工業地帯を代表するもう一つの産業が、航空産業です。中京工業地帯で日本の航空機と航空機の部品関連の生産額の、約五割を占める生産量を上げています。まさに日本の航空産業の拠点となっています。

このように中京工業地帯は、日本の自動車と道路という「輸送」を担う機械工場が多くあるのが、最大の特徴なのです。

機械工業以外では、石油化学などのコンビナートが多く発展しているのが特徴です。また陶磁器や刃物など、日常品などの工場も多く存在しています。

中京工業地帯の歴史

中京工業地帯の歴史

中京工業地帯の辺りには、もともと愛知県瀬戸市や岐阜県多治見市など、陶磁器を主産業として栄えてきた町などがありました。また東京と大阪の二つの大都市の中間に位置するため、人の行き来が盛んだったため、それに伴い発展してきたという歴史があります。

地形の観点から言うと、海に面しており港などが発展しやすかったということ。また木曽川という豊富な水量を持つ川があっため、工業用水などが容易に確保できた、というメリットもあり工場などが多く発展してきました。

明治時代からは製糸業や紡績業などの工場が多くできるようになりました。また昭和になると航空機などの生産が盛んになり、軍需産業なども盛んになってより発展を遂げていきました。戦後は石油化学工業などが発達。また自動車産業やオートバイ産業などとともに、時代に即した発展を遂げていったのです。

中京工業地帯は、現在では従業員数・製品出荷額とも日本最大の規模となっています。まさに日本の経済基盤を大きく支える重要な役となっている工業地帯なのです。

まとめ

今回は中京工業地帯について、まとめてまいりました。また別の工業地帯についても、今後触れていきたいと思います。