東日本大震災の直後くらいに「たかが電気」と言ったアーティストの方がいらっしゃいました。当然ですがネット上で大炎上しました。その方は特にいわゆる再生可能エネルギーを推進していらっしゃいましたので、原子力発電などは「トンデモナイ」という事だったのでしょうけれども、それにしてもあまりに軽率すぎる発言だったと思います。
いまや電気は私達の生活に無くてはならない、ライフラインです。電気がなければ生活も出来ませんし、病院などで電気が無くなったら命を奪われてしまう方もいらっしゃるでしょう。それには大量かつ安定的に発電できる手段が必要なのです。その意味では、再生可能エネルギーはまだまだ発展段階であると言えます。更に言うと、再生可能エネルギーの発展を促進するための費用が私達の電気代に上乗せされるようになってしまったため、私達の電気はより高くなってしまったのです。
数日前には今度は別の舞台関係者の方が、「製造業よりも自分たちの業界を助けてほしい」というような内容の発言をした、ということで話題になりました。しかし製造業も電気などと同様に、社会に絶対必要なものです。現代社会で生きていくために必要な全ての物には、なんらかの形で製造業が関わってきています。そうした他者への理解とリスペクトが足りない、実に軽率な発言だったと言えるでしょう。
また製造業の生産ラインは簡単に止められませんし、一度止まってしまった生産ラインを再び動かすことは、とても大変なことです。このページをご覧の製造業の方であれば、それは良くおわかりのことだと思います。
電気も製造業も、いえ言ってしまえば全ての仕事は、なんらかの形で必要不可欠なのだと思います。どの業種が上でどの業種が下であるとか、そのような事は一切ありません。その事を認識したうえで、「では今どうするか」「自分たちだけでは無くみんなが助かっていくにはどうするか」という事を考えていくことこそが、新型コロナウイルスで大変なこの時期に一番大切案ことなのだと思います。