空気清浄機について

はじめに

工場の中では、様々な粉塵やチリなどが多く舞っているところもあるかと思います。そうした工場などでは、空気清浄機などを導入しているところも多いかと思います。また近年では花粉症対策として、導入しているご家庭もあるかと思います。今回はその空気清浄機について書いていきたいと思います。

空気清浄機について

空気清浄機は空気中に浮遊しているチリやゴミ、花粉やハウスダストなどを除去するための機械です。また機種によっては、悪臭などの匂いを除去する機能がついているものもあります。日本では花粉症が社会問題となった1990年代くらいから、各家庭で空気清浄機が導入されるようになりました。今では多くの家電メーカーが空気清浄機を製造しています。

空気清浄機の種類

では空気清浄機にはどのような種類があるのでしょうか。現在の空気清浄機の種類は、おおよそ3つに分けることが出来ます。

ファン式

扇風機やエアコンなどと同様に、ファンにより空気を吸い込んで、その吸い込んだ空気を専用フィルターを通すことできれいにする方式です。最もオーソドックスな方法だと言っていいでしょう。またこのファン式は、フィルターの種類によって、更にいくつもの種類に分けることが出来ます。フィルターの種類によって、性能が変わってくるとも言えるでしょう。

このファン式の場合、定期的にフィルターを掃除あるいは交換しないといけないのが、デメリットであると言えます。交換の場合はランニングコストもかかってしまうため、長期で見た場合かなりのコストがかかる場合もあります。

イオン式

空気清浄機本体から空中にイオンの流れを作り出し、空中のチリやホコリなどにマイナスイオンを帯電させる方法です。マイナスイオンを帯電したゴミは空気清浄機本体内部にあるプラスの電極に引き寄せられ、吸着するという方式です。簡単に言うと「静電気」を利用して、空気中の汚れを集めるという方式になります。

ただしこのイオン式はごくごく近くの汚れしか取れないため、それほど能力が高くはありません。またメンテナンスも非常に面倒くさいというデメリットがあります。

電気集塵式

まず電気集塵ユニットと呼ばれるところで、プラスイオンを生成します。そのプラスイオンを汚れた空気に放出し、空気中の汚れに帯電させます。その空気をマイナスに帯電したフィルターを通すことで、プラスに帯電した汚れがフィルターに付着する、という仕組みです。つまりイオン式とファン式を合わせたような仕組みになっているのですが、電気の流れがイオン式とは逆になるのが特徴です。

この方式もイオン式同様、メンテナンスが大変というデメリットがありますが、その分高性能なフィルダーなどは必要としないというメリットがあります。また最近話題になっている「PM2.5」などのような小さい細かい粒子に対しては、特に大きな効果を発揮します。

空気清浄機と新型コロナウイルス

さて今多くの方が知りたがっているのは、やはり「空気清浄機で新型コロナウイルスは除去できるのか?」という事でしょう。これに関してですが、すでに消費者庁が注意喚起を行っております。

消費者庁:新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品の表示に関する改善要請等及び一般消費者への注意喚起について

消費者庁では、令和2年2月 25 日から同年3月6日までの期間、インターネット広告において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうするウイルス予防商品の表示について、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から緊急監視を実施しました。
この結果、インターネット広告においてウイルス予防商品を販売している 30 事業者による 46 商品の表示について、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする文言等があったことを受け、今般、一般消費者が当該商品の効果について誤認し、新型コロナウイルスの感染予防について誤った対応をしてしまうことを防止する観点から、当該表示を行っている事業者等に対し、緊急的に改善要請等を行いました。

つまり現状では、空気清浄機で新型コロナウイルスを除去できるかどうか、という事は全く不明である、という事になります。もちろん今後なんらかの効果が発見される可能性はありますが、少なくとも現在はそのような効果は認められていません。

そもそもウイルスのサイズはごくごく小さいものなので、通常レベルのフィルターではとても除去することができません。イオンや薬剤をウイルスに当てることでウイルスを退治することは可能ですが、そもそもウイルス自体が小さすぎて、イオンや薬剤がなかなかウイルスに当たらないということです。

特選街WEB:【ウイルス対策に】空気清浄機は有効か?知っておきたい空調家電の基礎知識

気をつけなければならないのは、イオン、薬剤とウィルスが遭遇するのは、あくまでも偶然であることです。高濃度の方が効果がでます。が、当然タンパク質を壊すと言うことは、高濃度すぎると人体へも影響が出てくると言うことです。大まかにいうと、人体へ影響を及ぼす、1/100以下で用いられているのが現状です。

基本的に空気清浄機でウイルスをなくすことは出来ませんが、ただその数をかなり減らせる可能性はあります。しかし逆に言うとその程度の効果しか期待できないものなのです。もし確実にウイルスをなくすような設定で空気清浄機を使うのであれば、それは逆に人体に対して悪影響を与えてしまうのです。

最後に

空気清浄機は現在多くの家庭、オフィス、工場で用いられてきています。しかし正しい使い方、効果を理解しておかないと、役には立ちません。特に新型コロナウイルス対策で空気清浄機の導入を考えておられるのであれば、ほとんど効果がない、という事を理解したうえで導入を検討された方がいいかと思います。