緊迫するウクライナ問題で私達の電気代が大幅な値上げになる?

現在北京オリンピックのニュースが新聞やテレビを賑わせていますが、その一方で今にも戦争が起きるのでは無いか?という緊迫した状況になっている所があります。そう、ウクライナです。

現在のロシアとウクライナの問題がなぜここまで拗れてしまったのかということは、説明すると長くなるので省略します。とにかく今起きているのは、ウクライナにロシアが軍事侵攻をするかもしれない、という事になります。その可能性はとても高いと言われています。もしかしたらこの記事をアップした数時間後には、ロシアがウクライナに侵攻しているかもしれません。全く先行きが見えない状態だと言っていいでしょう。

もしロシアが本当にウクライナに侵攻したら、欧米諸国はロシアに対して経済制裁を行うでしょう。相当に重い経済制裁だろうという事は、想像に難くありません。しかしそうなるとロシアは当然ですが、その経済制裁に対して何らかの対抗措置を行うでしょう。その対抗措置が「天然ガスの供給停止」です。

実はロシアは世界でもナンバー2の天然ガス供給国です。特にヨーロッパではほとんどの国が、ロシア産天然ガスの恩恵を受けているといっていいでしょう。ドイツなどは今年中に原子力発電所を全て停止させる、という計画で動いています。もちろんドイツとしては再生可能エネルギーを運用させていくつもりなのでしょうが、当然そう上手くはいかず、発電エネルギーのほとんどを天然ガスに頼らざるを得ません。そんな状況でロシアからの天然ガスがストップしてしまったら、大変な事になります。

日本の天然ガスを欧州に融通するよう要請?

先日もお伝えしたとおり、こうした状況を見越してアメリカが日本に対して、備蓄している天然ガスをヨーロッパに融通できないか?と打診してきました。これに対して、日本は3月にも数十万トン規模の天然ガスを融通する、と表明しました。

日本経済新聞:欧州へのLNG融通、経産相表明 3月に数十万トン規模

萩生田光一経済産業相は9日、欧州に液化天然ガス(LNG)の一部を融通する方針を表明した。政府の要請に応じた日本企業がLNGを積んだ船を3月に欧州に着くように数隻向かわせるという。1隻に積めるLNGは7万トンとされ、数十万トン規模になる。

ウクライナ情勢が緊迫する中、バイデン米大統領の協力要請に応じて協調する姿勢を示す。岸田文雄首相は9日、記者団に「同盟国の米国からの要請と、欧州の厳しい天然ガス不足の状況を踏まえた」と語った。

日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国などの力関係を考えると今回の融通措置は仕方ない部分もあるのですが、しかしこれは当然日本の電気事情に跳ね返ってきます。日本もご存知の通り、原子力発電所のほとんどが稼働停止しています。大きめの寒波などが来てしまうと、すぐにでも大停電が起きても不思議では無い非常に危険な状態です。また当然ですが私達の電気代にも、大きな影響を及ぼしてしまいます。

発電の問題は、結局いかにして効率よく大量の電気を発電することができるか、つまりコストの問題と深く関わってきます。そして現状最もコストの良い発電方法は、原子力発電所を置いて他にありません。再生可能エネルギーはたしかに必要なのですが、現状ではまだまだ原子力発電所に匹敵するほどではありません。

ウクライナの情勢も確かに心配です。しかしまずは私達日本国内での電気を安定させるために、原子力発電所の再稼働を少しでも早く進めていくことが、大切だと言えるでしょう。