「工場電気ドットコム」では、主に工場・町工場の皆様を対象に、電気代の節約のご提案をさせていただいております。
今回は東京都にある工場・町工場について、いろいろと書いていきたいと思います。
以前も紹介したこちらのページは2015年のデータになります。こちらのデータによると、東京都内には工場が14,230件もあります。もちろんこの数字には、いわゆる「大工場」も含まれていますので、町工場の数はもっと少なくなるとは思います。
こちらは新宿区が2007年に作成した資料になります。こちらですと、東京都内の工場の総数が、18,681件となっています。先ほどの2015年と比較すると、4,000件も減ってしまっていますね。後でもまた触れますが、町工場の後継者不足がやはり懸念されますね。
東京都で工場の数が一番多いのは、先日も書きました通り「大田区」になります。2008年の資料では大田区の工場数は4,362件となっていますので、東京全体の工場数から考えると、およそ三分の一から四分の一の工場が、大田区にある事になりますね。もっともピーク時の昭和58年には工場の数が9,190件あったそうなので、その頃と比べると、かなり数は減ってきていますね。
その中でも、従業員が1人から9人までの小規模な工場は全体のおおよそ80%を占めています。大田区はまさに「町工場のまち」と言ってしまってもいいのでは無いでしょうか。このように大田区に町工場が多い理由を、上のページではこのように分析しています。
- 工場と住まいが近い(もしくは一緒)
- 従業員全員が家族のように仲良し
- 近くの工場同士が協力して、お互いの専門技術を生かした仕事をしている
- 急ぎの仕事にも全員で対応している
- みんなで工夫して技術を磨いている
確かに、なるほどと思える分析ですね。工場と住居が近いというのは、とても大きいですね。何より通勤時間などが不要なので、とても便利です。また町工場が多いということは、同業者も増えるということなので、横のつながりが広がるという事でもありますね。横のつながりが広がれば、何か困ったことなど起きても、それらをお互いサポートしあえるという事でもあります。新しい技術など、教えてもらえるかもしれませんね。
また大田区の工場の歴史が、先ほどのページに掲載されています。
これを見ますと、やはり海沿いにあったため自ずと工場が増えていき、さらに関東大震災や戦争などでどんどんと工場が増えていった、というのが工場数が多い原因のようですね。確かに大田区は海沿いで埋め立て地なども多いので、港が近くにあります。そのため船を使って資材や原料などもすぐに届けられます。また羽田空港も近くにありますので海外からの資材や原料・工業品なども入ってきやすい、地理的に優位な立場にあったのでしょう。東京都心にも程よい近さですし、人口も相当増えていったのでしょうね。
しかしこれは大田区の町工場に限った事では無いのですが、やはり今はどこの町工場も後継者不足が深刻なようです。工場のあとを継ぐ人がいなくなってしまうと、工場は無くなってしまいます。一度工場が無くなってしまうと、後継者も育ちません。その地域の工業の発展を考えると、やはり誰かが後を継いでいかないといけないのですが、利益や経費などの問題を考えますと、なかなか難しい問題ですね。
この辺りは地域の工場だけでなく、行政などとも連携して考えていかないといけない問題だと思います。今は工場などは海外に移転させるなどの方法が主流となってきていますが、やはり日本国内での町工場の発展も考えていくのは、とても大事なことだと思います。